ロシアの政府系銀行が経営危機

新電力の電力供給がスタートし、いよいよ東京電力も正念場へ
来年4月に始まる電力の小売り自由化に向け、新規参入の東京ガスが料金メニューを発表。東京電力と比べ、かなり割安だ。一戸建て住宅3人家族の平均使用料(月392キロワット)で試算すると、現在の東電の料金より年間5000円程度安くなるという。

 企業努力によって料金が安くなる証拠で、東電もウカウカしている場合じゃない。原油価格は昨年夏に1バレル=100ドルを超えていたが、1年半で3分の1になるほど急落。当然、火力発電コストも大幅に縮減したはずなのに、料金を払う身には原油安の恩恵はちっとも実感できない。

 それもそのはず。東電の電気料金のうち、火力燃料の価格変動を迅速に反映するタテマエの「燃料費調整単価」の値下げ幅は、原油の急落幅と比べてグッと少ない。

 そのため、東電の平均モデル(従量電灯B・30アンペア、月使用量290キロワット)の料金も今年1月の8417円から来年1月は7481円と、1年間の値下げ幅は約11%減に過ぎない。この1年でレギュラーガソリンは1リットル=150円台から120円台を割り込む水準まで下落。2割以上も値を下げたのとは大違いだ。

「来年1月の調整単価の算定基準となる燃料費は、今年8~10月の3カ月間の平均額です。常に最長5カ月の時差が生じるため、直近の原油急落の恩恵を感じられるのは春ごろになるでしょうか。また、算定する燃料費は円換算のため、ドルベースで下落しても円安進行によって相殺されている面もあります」(東京電力広報部)

 東京新聞の世論調査によると、小売り自由化で都民の6割が料金の安い他社への乗り換えを検討している。東電ものんびり構えていると、アッと言う間に経営が揺らぎかねない。





露政府系の開発対外経済銀行(VEB)の経営が急速に悪化し、政府に巨額支援を要請する事態に発展している。VEBは2014年に行われたソチ冬季五輪向けの巨額建設プロジェクトへの融資で中核的な役割を果たしたが、政権主導の無謀な計画が損失を膨らませた格好だ。政府は今週中にも支援策をまとめる方針だが、支援要請額は2兆円規模とも報じられ、逼迫(ひっぱく)する経済にさらなる打撃となる可能性が高い。

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 支援は数年かけて行われる見通しだが、インタファクス通信によると総額は1・3兆ルーブル(約2・2兆円)にのぼる可能性がある。

 VEBは14年に2500億ルーブルの赤字を計上し、15年上半期も700億ルーブル超の赤字に陥っている。さらにVEBは欧米の経済制裁の対象にも含まれ、海外からの資金調達も困難になっている。欧州系格付け大手フィッチ・レーティングスの調査によると、VEBはソチ五輪向けのホテルや競技場建設に合計2210億ルーブルを融資したが、14年末にはその8割が回収困難とみなされた。メドベージェフ首相は22日、「VEBの問題は国の経済状況と制裁が関連している。政府として放置はできない」と語り、危機感をあらわにした。

 プーチン政権が国の威信をかけ開催したソチ五輪だが、当初予算の4倍超の約5兆円が投じられたとされるなど、投資の計画性が強く疑問視されていた。VEBは「事実上の第2の予算」(露中央銀行元幹部のアレクサーシェンコ氏)として、融資を通じ露政府の支出を肩代わりさせられたと指摘されている。

 ロイター通信によると、VEBの経営悪化はさらに、ウクライナ東部の鉄鋼関連工場への約80億ドル(約1兆円)規模の融資が回収困難になっていることも要因という。融資はロシアの投資家を通じて行われたというが、鉄鋼価格は下落基調で融資額に見合わないとの指摘もあり、何らかの政治的意図があったのではとの臆測を呼んでいる。

 支援総額として検討される1・3兆ルーブルは、今年のロシアの国家予算全体の1割近い額で、原油価格下落で悪化する経済の、さらなる重荷になることは必至。露金融筋は、VEBが融資した事業は「元から採算がとれないことが分かっていた」として、融資を承認した政権に経営危機の責任があるとの見方を示した。


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