フランスでのテロが世界経済に与える影響

パリで起こった同時テロ事件は世界に衝撃を与えています。パリ検察当局の14日時点での報告では、同時テロで、死者数は現段階で129人に上っています。負傷者は352人で、うち重傷者は99人で危険な状態が続いている人も含まれているといいます。

パリという観光客の多い大都市で、しかも劇場やレストラン、郊外のスタジアムなどで起こったことも衝撃度を高めています。アメリカ同時多発テロに次ぐ衝撃的なテロ事件です。

この影響は様々な分野で出てきそうです。経済的な影響はどうか、考えてみましょう。

直接的にフランスの経済に与える影響をみてみましょう。まずは観光産業に与える影響です。なんといってもパリの都心のカフェやレストラン、劇場などで起きた事件です。観光客もよく行くところです。現在、今回の事件を受けて非常事態宣言が出されています。ルーブル美術館、凱旋()門、エッフェル塔、ノートルダム大聖堂など主たる観光施設はすべて閉鎖されています。一時的なものとは思われますが、それでもイメージダウンは大きいのです。フランスにとって観光産業は相当に重要な位置づけがあります。2013年には海外からの旅行者数は8470万人となり、世界一外国の旅行者の多い国となっています。パリや地中海沿岸地域は観光のメッカとも言えるところです。フランスは2022年に1億人の旅行者数を達成する目標を立てています。観光収入は2014年が554億ドル、日本円で約6.8兆円です。主要な産業の一つといえます。その観光産業が当分の間、痛手を被ります。旅行者は激減します。

観光産業だけでなく、出張するビジネスマンも敬遠するでしょうから、他の分野でも停滞が起きうる状態です。フランスへの入出国も厳しくなるでしょうから、フランスは敬遠される国になりえます。フランスはドイツと並ぶ経済大国でしたが、いつの間にか、ドイツには溝を開けられました、停滞気味の経済の中で起きたテロ事件。フランスの経済を直撃します。

これはヨーロッパ全体の経済にも影響します。ユーロは下落する可能性が高いでしょう。しかも今回の問題はテロによるもの。ドイツやイギリスも難民や移民が増えており、テロの可能性がかなりある国です。フランスだけの問題とは見られない可能性があります。折しも、ドイツではフォルクスワーゲンの不正問題などがあり、厳しい対応を迫られている時です。ヨーロッパ全体の経済が冷え込むと優等生のドイツでさえ、簡単にはクリアできない壁が出来るかもしれません。

世界では中国の景気の低迷が問題となっています。中国経済が急速に冷え込む中でのこうした事件によって、世界経済が負のスパイラスに入り込む可能性もあります。アメリカも利上げをどうするか。今回の同時テロ事件は企業や個人の経済マインドや経済活動を冷え込ませ、世界の金融市場に悪影響を与えるでしょう。週明けの株価指数は注目です。

とはいっても、今の段階なら、時間が解決してくれるでしょう。打撃は受けますが、来年にはまた回復の軌道に乗ると期待できます。問題は、第二、第三のテロ事件があるかどうか。そうならないように世界的な取り組みが求められます。日本も例外ではありません。


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